指先から拡がる世界 <かご> 展  平塚市美術館(神奈川)


1回目
2004年8月4日(水曜日)


午後から公開制作目当てに美術館へ。
最初の部屋に入ると、外が明るいせいかいきなり真っ暗な部屋に武蔵美の資料である、日本の民具が100点以上。
狭いスペースに圧巻!

次の部屋がメインの4作家の部屋。
スコットランド、ボツワナ、インド、日本を代表する作家たち。

アナ・キングさんの作品は素材と言い、技法と言い、雑貨と言っても通じるようなものもある。コイリングが多い。
ボツワナのガバショルウェさんの作品はコイリングなのだが、全て美しい模様が編み込まれていてまさに芸術作品。
しかし価格は日本と物価が違うので、かなり安いらしい。販売はもちろんしていないけれど、喉から出てきそう。
出展作家の山口紀子さんと共に公開制作が始まったが、本当に細かい作業。
インドのントゥエさんの作品はカラフル。なんとまだかごを作り始めて2年という短期間なのに、
さすがに生計をたてるためにやっているので私などとはレベルが違いすぎる。技法は殆どプレイティング。
後で通訳の方を通して聞いたら、20名ほどのグループで1年に5,000枚の大きなヤ椰子の葉を消費するとのこと。
その椰子の葉1本から細かく編まれた美しいかごが3つ出来るそうなので、単純計算しても15,000個!
かないません。彼女の公開制作は高宮先生が一緒。
関島さんの作品はいつみても素晴らしい・・・揺るぎがたい知識や経験、瞬発力、発想力、想像力の上にある。

3つ目の部屋は高宮先生と本間さんの作品。
ちょっと狭いよ〜とも思うけれど、作品は素晴らしい。
おふたりの作品も関島さんと同じく、地に足が着いた理論もきちんとした作品だなといつも思う。
私が20年やってもそうはならないだろう。悲しいけれど。

最後の部屋は広かった。
谷川さん、上野さん、山口さんの作品が並ぶ。
谷川さんの作品はメタルの作品。初めて大きな作品も見る。
後でご本人がかごは編組で出来上がる隙間が面白くてやっているとおっしゃった。
ライティングから出来る作品の陰も美しかった。
上野さんの作品は竹。素材を自在に操っている操っている。
かなり大きなオブジェは近くのホテルに滞在しつつ組み上げられたそう。
山口さんの作品は初めて見たが、和紙の美しいネットのような作品だった。植物のように見えて美しい。
ご本人からの説明を聞いてみたいなと思った。

この日は幸運なことにこの展覧会の企画者、プラヴィナ・キングさんとのディスカッションに参加。
約3時間、日本の伝統的な着物こと、西洋文化と和の文化の違いのこと、これからの日本のこと、
今回の企画を思い立った時のこと、展示室に行って各作品と対峙しての熱いお話。
通訳の方も的確だったけれど、キングさんの英語は美しくて
単語が分からない部分以外はすごく伝わってきた。
彼女と話せる機会なんてある訳ないのだから、ものすごくラッキーだった。
数名で館内を移動中、隣り合わせてしまい、いい加減な英語で着物について語る・・・しかし、またまた語彙不足が悲しい。
説明したいのだが、単語浮かばず。それでも前向きなエネルギーと影響を受けました。

閉館までいて、クボさん、ジンノウチさんと久々に3人で語り合う。3人ともこの展覧会を楽しんでいる。
次は8日に行くつもり。



2回目
2004年9月9
日(木曜日)

8/8のプラヴィナ・キングさんを囲んでバスケタリー作家数名でディスカッションの予定は体調不良で参加できずじまい。
かなりショックだったが、なかなかの話のかけあいがあったそうだ。
そのとき、インドのントゥエさんの作品が手に入ることになったそうで優しいクボさんが私の分も買ってくださっていた。
美しい〜



そんな訳で久々に行くことになった今日はアナ・キングさんの公開制作1日目。
クボさんと一緒に。
入り口でこの前はまだ刷り上がっていなかった図録を購入。



真夏と違って入場者も多く、アナさんの周りは人だかり。
こんなに興味ある方がいるんだな〜と嬉しくなる。
松葉を素材としてコイリングで細かい作業は進められる。
2名ほど取材の方がいたが、どうしてもアナさんの学歴である「テキスタイル科」が理解できていなくて
何度も何度も「テキストスタイル科」と確認していたのがおかしかった。

前回はなかったインドのントゥエさんが制作の途中でお祈りをするという美しい絵に遭遇。
床に描かれている、その美しい色彩の絵にまいりました。
今度撮影させてもらいたいな。

ほどなく会場で高宮先生たちと合流したのでそのまま勝手知ったるアトリエへお茶を飲みに。
谷川さんも一緒に。
そこで谷川さんのオトモダチが持っていらした台湾のおみやげにもらったという小さな入れ子のかごに興奮!
すごく小さいのに、全部同じ編み方!
人間の手ってすごいな〜と。

これでも30年くらいたっているそう。

ひとしきり話して閉館間近になったので美術館をあとにしました。



2回目
2004年9月10
日(土曜日)

前から予約していたアナ・キングさんのワークショップに参加します。
本当は土日2日間なのだけど、私は明日は来れないので今日1日をじっくり楽しむつもりで参加。
当初ワークショップは7〜8名の予定だったが、あまりにも希望者が多く30名近い人数に。
ここもやる気満々でにぎやかです。


今日の材料となる松葉はクボさんにお願いしていただいてしまいました。
きれいにしていただいてまたまた感謝感激です。
緑色はクボさんから、茶色は美術館で用意されたもの。色の対比がきれい。


まずは学芸員の葉山さんが概略を説明。
アナ・キングさんとご主人のトニーさんはよいパートナーで彼女の制作のフォロウをしているとのこと。
通訳をやってくださったのはガラス作家の向出圭子さん。
アナさんとは同じアトリエを使っているそう。

最初はアナさんのバックグラウンドと共に、映像で今までの作品の解説を聞きながら観る。
もともとテキスタイルをやっていた彼女の仕事は緻密。
でも作品にはマッシュルームで漉き上げた紙が使われていたり、
製本(ここでも!)の技術を取り入れたり、
貝殻ボタンを貼り付けた作品のタイトルが「パールクィーン」という名前だったりして可愛らしいものがたくさん。
最初に展示室で観ただけだったら、感じなかったことをいっぱい感じることができて興味津々。
枠にとらわれないようにしなくちゃ・・・とも思う。

映像を見た後はアナさんの実際の作業を観る。
細い松葉をまとめて、丁寧にコイリングで編んでいく。
みんな一生懸命観ています。
思わず椅子の上に立って撮影(笑)



実演の後、